ゆらゆら日記

風の向くまま気の向くまま

20220709-15

けっこう色んなことがあった。

土曜の午後に美容室に行った。半年ぶりくらい。トリートメントをしてもらった。髪が信じられないくらいとぅるとぅるになる。

美容室の最寄り駅に併設されているショッピングモールに書店が入っていたので、村上春樹の『国境の南、太陽の西』を買って、電車で読む。よい小説で、味わうために、ときどき読むのを止めなくてはならなかった。そこに書かれていたことは、過去、経験したことがある感情であり、そして、未来、経験するかもしれない感情だった。10年後に読んだら、また違う気持ちになるのだと思う。小説を理解するには、ある種の経験と、経験のための時間が必要なこともある。

夜はオーケストラの練習に参加する。恋しい人が腕を振っているのを見ていたら練習が終わっていた。不届きな団員をやっている。

 

日曜は、午前中に参院選の投票に行った。帰りに少し買い物をして帰宅する。それから軽くお昼ごはんを食べた。

14時に恋しい人と東京駅で待ち合わせをして、丸の内のメゾンドショコラのカフェに行く。明るく晴れて青い空と、まだギリギリ耐えられる温度と、爽やかに吹くビル風で、素敵なデートとなる。ぽつりぽつりと話しながら丸の内の街を歩く。恋しい人の穏やかな声を聞いているといい気分になる。

カフェはちょうど満席だったので、席が空くまで隣のビルのコペンハーゲンで食器を眺めたり、バカラでネックレスを見たりした。あのあたりのお店に躊躇なく入れる人だとわかって嬉しい。メゾンドショコラから電話があったので、引き返す。

アントゥルメ・サルバドールとマルコポーロを注文する。やや暗めのカフェスペースでゆっくりケーキを味わう。何度食べても美味しい。が、少し緊張していたせいか、いつもより味がわからなかった。

ケーキの後は、三越前コレド室町に移動して、印象派のグラフィックアート系の展示を鑑賞する。印象派はこれまで全然好きではなかったけれど、恋しい人が隣で楽しそうにしていたので楽しかったし、楽しかったおかげで少し好きになった気がした。

その後オーケストラの練習のために移動する。電車の中で次とその次のデートの約束を取りつける。

電車を降りるとちらほらオーケストラのメンバーの姿が見え、恋しい人は少し冷淡になった。微妙な関係性の、微妙な時期に、あまり他人に詮索されたくないから、それは仕方ないことではある。偶然電車で会ったような距離感を醸し出すには、それが最善の手段であったろう。それでも寂しいと感じてしまう。甘ったれである。

オーケストラの練習が終わって、帰宅した後、村上春樹の続きを読む。最後の章で、理由はわからないが泣いた。情緒がめちゃくちゃになる。

 

月曜から水曜あたりまで、日曜の感情の振れ幅が大きすぎたおかげで、仕事に微塵も集中できなかった。

木曜になってようやく仕事に集中できるようになった。集中したら仕事がさっさと終わったので、早めに退勤してバイオリンを練習する。

金曜はあまり調子が上がらないまま夜になってしまった。パスタにパルミジャーノ・レッジャーノをしこたまかけて食べる。食後は勉強の予定だったが全然進まなかった。日付が変わったので諦める。